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クローン病(22歳男性)

患者 22歳男性

初診日 平成8年12月21日

既往歴 痔瘻が持病であったが、7年前に手術。
6歳時に扁桃腺を手術。アフター性口内炎が良くでる。

症状 主訴は、今年の7月に40℃の高熱が出た。この為40日間入院した。
その結果クローン病という診断を受けた。薬としてステロイドを1日20mgを服用した。
これがよかったのか自覚症状が無くなった。ステロイドを15mgにしたらまた悪くなった。
そこで、ステロイドを1日に20mg増量した。
このままではあるいは病気は治るかもしれないが、その前に体がダメになってしまうかもしれない。
又、薬を止めれば体の方は良くなるかもしれないが、病気が悪化するかもしれない。
誠に恐ろしいことである。自分ではどうして良いか判らない。
そこで紹介によって我が医院に訪ねてきた。現在の臨床症状はステロイドの影響の為にクローン病の症状は無い。しかし、立ちくらみがある。痰も出る。腹が鳴りガスが良く出る。

健康状態 食欲は良好。小便は普通。大便は薬が効いているためか1日1回普通便。
睡眠は普通。体格は大柄で中肉。結局と皮膚の艶も悪くはない。
診察してみると、脈は沈で数。舌を見ると乾燥していて白黄の苔を認める。
腹証は血圧124/60 脈拍は93。

経過

12月21日(来院時)
漢方として、胃風湯を投与して様子を見ることにした。

(平成9年度)1月5日
1月4日に血液検査をしたところCRPが減少していた。
腹候は左腹直筋の緊張が緩和されていた。
血圧122/64mmHg。脈拍84。同方を投与。
以後、4月18日まで服用して来院しなくなった。
その間の消息について忘れていた所、平成12年5月13日に母親と本人がひょっこり顔を見せた。
それによると、漢方薬を飲む様になってステロイドを服用しなくなった。
平成10年12月までにすっかり回復した。
しかし平成11年1月にインフルエンザに羅患した。
この為かどうか知らないが前の病気が再発した。症状に波があった。
それで3回入院した。現在は下痢しやすい。ステロイドを1日10mg服用している。
そこで、思い出して当医院に再来院した。診察してみると、腹候に特徴があった。
すなわち最初に我が医院に来た時と全く同じであった。
血圧112/60mmHg。脈拍81。久しぶりに胃風湯を投与しておいた。

今回のケースは再発を繰り返すクローン病であったので、漢方薬を続けて服用しておけば良かったと思われる。
大体において「病気」が少しでも治ってしまうと「漢方薬」を止めてしまう場合が多いがこれは少し危険の様に思われる。もう少しからだの様子を見ながら漢方薬を飲んで体調の維持をした方が良いようである。こと病気に関しては、あまり性急に考えない方が良い。
考えるだけでストレスになるからである。