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糖尿病の体質改善(61歳女性)

患者 61歳女性

初診日 平成12年9月14日

既往歴 8年前から糖尿病。7年前より高血圧症。
7~8年前より花粉症。平成10年に肩関節周囲炎。

症状 主訴は、糖尿病で血糖値が180mg/dlで、新薬は一切服用していない。
不眠で悩んでいる。
それに10年以上前から便秘で、医者から「腸が長い」と言われた。
下剤を服用するとトイレまで間に合わない。
その他の自覚症状は、肩凝りがひどい。非常に汗をかき易い。常にイライラしている。
物忘れがあり、非常に物事に驚きやすい。

健康状態 食欲は良好でなんでも食べる。大便は前記。小便は普通に出る。
夜間尿はたまに1夜1回行くことがある。睡眠は前記。月経は54歳で閉。
子供は3人。体格は大柄で、肥っている。赤ら顔で、皮膚の艶は普通。
身長158cm、体重は64kg。診察すると、脈診は浮にして大。舌を診ると湿潤している。
血圧192/101mmHg。脈拍72。

経過

9月14日(来院時)
漢方として、防風通聖散証と判断して薬を投与した。

9月21日
下痢気味になる。頭が痛む。心臓がドキドキする。耳鳴りがする。
腹候は初診時と比べて変化は認められない。血圧159/88mmHg。脈拍65。
そこで漢方を防風通聖散科としたが、大黄は除いた。

9月29日
歩行が少し疲れると訴える。 腹候は、腹部の膨満が少し減ってきているのが認められた。
血圧165/85mmHg。脈拍63。同方を投与。

10月7日
9月30日に採決して検査したところ、血糖値が298mg/dlであった。
しかし体調は非常に良くなる。腹候は腹部の膨満が無くなる。
血圧169/88mmHg。脈拍69。同方を投与。

10月14日
何だか血圧が高くなったようだと言う。非常にイライラする。
大便の具合は良い。腹候胸脇苦満を認める。
血圧190/94mmHg。脈拍66。同方を投与。
そこで色々と考えて、防風通聖散科合肝散科去大黄を投与。

10月28日
「最近医者が血糖の検査をしてくれなくなる。」と言って嘆いている。体調は良い。
腹候は前回と比べてもあまり変化は認められなかった。
血圧172/90mmHg。脈拍64。同方を投与。

11月15日
胸元が重苦しい。久しぶりに検査をしてもらったところHbalc8.8%であった。腹候にはあまり変化は認められなかった。
血圧156/79mmHg。脈拍64。同方を投与。

今回のケースはあまり生活が豊かでない患者であった。
そのため自費で診療を行っている当医院に通院出来るのかどうか心配であったが、本人の強い希望で「生薬による漢方薬を飲みたい」ということで、保険診療で行っている「漢方製剤」はあまり効果がないから飲みたくないし、新薬は更に副作用が心配であるから絶対に服用したくない。
ところが西洋医学での検査だけは行ってもらいたい希望があるが、最近ではあまり検査もしてもらえない。と訴える。
どうもこの患者は検査は西洋医学で、治療は東洋医学で行いたいらしい。
これも一つの「見識」であると思う。