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アトピー性皮膚炎2(27歳女性)

患者 27歳女性

初診日 平成8年2月24日

既往歴 特別に記すことはなし

症状 主訴は子供の頃から春先にかけてアトピーが出現していた。
現在は、腕と胸部がひどく痒く、皮膚がザラザラしている。
そして、足の大腿部伸側や顔面にも出てきた。
そこで皮膚科に行き、3~4ヶ月前より弱い副腎皮質ホルモン(ステロイド)を使用している。
また、冷え性で困っている。特に手・足が冷たい。生理の時になると頭痛がする。
その他の自覚症状としては、軽いが項背部の凝りがある。
腹部の膨満感もある。腰痛、寒がりである。

健康状態 食欲は良好。なんでも食べる。小便は普通。大便は1~2に1回で普通便。
睡眠は良い方。生理は順調。独身。身長162cm、体重53kg。
体格は大柄。血色は普通だが、皮膚の艶は悪い。
診察すると、脈診は沈にして微。舌を診ると少し湿潤していて、白苔を認める。
腹証は、軽い胸脇苦満と、右下腹部になんとなく自発痛を覚えると訴える。
血圧は118/66、脈拍69。

経過

2月24日(来院時)
漢方として、温清飲に連翹3.0g、大黄3.0gを投与した。

3月10日
来院、服用3日目まで何ら変化なし。
4日目より顔が赤くなる。今はステロイドを止めている。

3月23日
来院、昼間はかゆみが減ってくる。ただし、1週間前より下肢が痒い。
また、背中に大きい「できもの」が出来て、口渇が激しい。
そこで、同方に石膏20gを加味して様子をみることにする。

4月7日
来院、食後に痒みがひどいと訴えるので、温清飲に連翹3.0g、荊芥2.0g、大黄3.0g、石膏10gを加味して投与した。

4月20日
来院順調

5月5日
来院、見るからに元気そうになる。但だ顔が火照る、2~3日前より下腹部が痛む。
産婦人科にいった方が良いかと問う。
漢方として、前方に黄連1.0gを加えて投与した。

5月19日
来院良好
以後6月に三度。7月に二度。8月に二度。9月に二度。
10月に一度。11月に1度。12月に1度来院し頗る順調で、平成9年度2月1日現在、アトピー性皮膚炎を全く忘れた様になったという報告を受けた。